陰陽五行的に映画を見てみる~その4~「シンドラーのリスト」
スピルバーグ監督は大好きで。
それでいてこの作品はなにかと避けていました。
でもね。広島の原爆ドームや、広島原爆資料館じゃないけど、過去の歴史の中で知っておくべき大切なひとつなんだと思います。
ユダヤ人が大量虐殺された、という歴史の教科書の一遍ではなく、映像を通して沢山の事がわかりました。
モノクロの映画は好きで。チャップリンの映画、ヘップバーンのローマの休日とか、自分で色を想像してみたりして。
ただ、今回のこの映画は想像すると嘔吐しそうな、なんとも言えない匂いまで感じてしまい、最後まで見るのに非常に苦労しました。
前置き長すぎ!(ごめんなさい><)
この世は全て陰と陽とすると戦争と平和。善と悪。ナチス軍のしたことは後世語り継がれなければならないのでしょうね。
むごたらしいシーンがあまりに多いため白黒でむしろよかったのかな。。。
人って、本当に「殺されるかもしれない」という恐怖にかられると、殺す強い?人間の前には直視できないんですね。
ナチス軍の所長がユダヤ人を銃で無造作に殺すシーンが何度もあります。初めはそのたびに驚いて私は「わわっ」とか。「あっ」とか。驚いて声をあげていたのが、何人目からか、驚かなくなりました。 これって、ナチス軍の所長も感情が、善悪が何なのか、人を殺すことがどういうことなのか、そんなことが全て麻痺してしまったのと同じじゃないのかな、と思いました。
ユダヤ人は生と死のはざまで、それでも生きようとしていて。ものすごく強さを感じ、反対に、銃で無造作に殺しまくるナチス軍の所長はものすごく弱さを感じました。
もっとも印象に残ったところは、モノクロ映画なのに1人の少女が赤いコートを着て歩いているシーン。ユダヤ人が家を追われ、大量虐殺されるところで街を歩いているんです。 赤い服。血液の色。生命そのもの。 ナチス党員で軍儒で財を築く実業家シンドラーの目にだけはとまっているのです。
そののち、その少女は荷台に乗せられ死体となってまたシンドラーの目にうつります。
シンドラーはその少女から生と死だけでなく戦争と平和、善と悪の現実をたたきつけられたのではないでしょうか。
1100人のリストにユダヤ人をアップし、自分の工場の労働者として連れだすのです。
タイプライターで夜通しリストを打ってもらい、「今何人だ?」「もっとだ。」の会話が続きます。
救ったのが1100人。それでももっと助けられたはずだ。と泣き崩れるところがあります。このシーンは非常に私も胸が痛かったです。シンドラーが心からユダヤ人の命に対して心から慈しむシーンだったと思います。
ただ単に歴史の悲劇を忠実に映像化しただけでなく、スピルバーグ監督のハラハラドキドキさせる、手に汗握らせるシーンも要所要所で見られました。1100人のうち、女性が誤ってアウシュビッツの強制収容所に送られ、あわや、というところでシンドラーが間に合い助け出す。
つらいシーンの映画だったですが、「生きる」ことの大切さしっかり学べる映画でした。